#1 ジャングル? と出逢う
2014年9月 真鶴半島に暮らし始めて そろそろ3年が経とうとしていた頃 体はどんどん田舎に馴染んできて、東京に行くとキラキラ眩しく今まで住んでいた鎌倉も都会に感じるようになった。 半島の先端には地元の人に「おはやし」と呼ばれるととろの森の様な一帯があり、樹齢400年ほどの巨木たちが、お喋りでもしながら息づいているように、伸びやかに空に向かっている。 でっかい木のある所で何かできる場が持てたらいいなぁ。という思いは、岬の木々を見たときからずっと心にあったのだけど、私達の様になんとか生業として成り立ってるほどの者には易々と叶うはずもなく・・ 子供が夢を見るようなピュアな思いにもなれず、現実を受け止めながら淡い夢として心に置いていた。 或る仕事休みの朝、久しぶりに不動産屋さんのHPを見ると屋根を悠々と見下ろすでっかい木に包まれた長閑な平屋の写真があった。 何かただ事ではないような気持ちで、思わず「やっちゃん!大変!」と、ウトウトしているヤンに大声を投げた。 ひっそりと、でも 何か芯のあるような その写真を見て「まず、不動産屋さんに電話しよう」と、朝9時を待って、電話をかけた。 「まだ決まってませんよ。広告に出したばかりだから」と不動産屋さん。 私達が、一番最初の問合せをしたようで、まずは決まっていないことに安堵した。
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